仕組みから知るなら ピーマン・トウガラシの枝の増え方と仕立て|花のたびに2本に分かれて倍々に増える
一番果は小さいうちに採る
一番花が実になるころ、株はまだ30センチほどで、根も葉も育ちきっていません。この実を大きくなるまで株につけておくと、養分が実に取られて枝の伸びが止まり、そのあとの収穫が減ります。一番果は親指ほどの大きさで採り、株を育てることを優先します。これは青採りでいちばん効く手入れの1つです。
- 長さ3〜4センチで採る
- 一番果が親指ほど、長さ3〜4センチになったら、ヘタの上をハサミで切ります。食べられる大きさではありませんが、刻んで薬味にすれば無駄になりません。
- 2段目と3段目も小さめで
- 株の高さが50センチに届くまでは、2段目、3段目の実も標準より小さめで採ります。株が大きくなってから、実を本来の大きさまで太らせます。
- 遅植えの株ほど早採りを
- 夏の終わりに植えた株は、育つ時間が短いぶん株作りを急ぎます。一番果はつぼみの段階で取ってしまってもよく、その分の力で2段目の枝が早く伸びます。
採りどきの見分け方
花が咲いてから3〜4週間で、実は品種本来の長さに届きます。目安は、実が太って肌に張りと艶が出て、指で押すとかたく感じることです。この状態から1週間ほどが青採りの適期で、それを過ぎると実の色が黒ずみ始め、やがて赤くなります。品種によって大きさが違うので、長さより肌の張りで判断します。
| 実の様子 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 細く、肌がやわらかい | まだ早い | 辛味も香りも乗っていない |
| 太って張りと艶がある | 採りどき | 辛味が乗り、歯ごたえがよい |
| 肌に細かいひびが入る | すぐ採る | ハラペーニョは熟しの合図。食べられる |
| 黒ずんで赤みが差す | 採り遅れ | 株に負担。採って加工に回す |
| 赤くなった | 赤採りとして使う | 青採りの株としては止まりかけ |
収穫のしかたと頻度
盛夏は2〜3日に1回、最低でも週に2回は株を見て、採れる実をすべて採ります。採り遅れの実を株に残すと、株はその実を熟させることに切り替えて新しい花を止めます。青採りの株を長く持たせるいちばんの方法は、こまめに採ることです。
手で引っ張ると枝が裂けるので、必ずハサミでヘタの上を切ります。辛味の成分は実の内側だけでなく、切り口からも手につきます。採るときから手袋をして、作業中に目や顔を触らないようにします。
- 朝の涼しいうちに採る
- 日中に採った実は水分が抜けてしなびやすく、株にも負担です。朝の涼しいうちに採ると、実に張りがあり日持ちもよくなります。
- ヘタの上をハサミで切る
- 実の付け根から5ミリほど上の果柄を、清潔なハサミで切ります。手でもぐと枝の分かれ目が裂け、そこから枯れ込みます。
- 株ごとにハサミを拭く
- モザイク病は汁で広がります。株を移るたびにハサミをアルコールで拭くか、消毒液に浸します。5株なら手間はかかりません。
- 採った日と本数を記録する
- 採った日と本数を残しておくと、株の勢いが落ち始めた時期が分かります。本数が減り始めたら、追肥と枝の整理を見直す合図です。
辛味はどう乗るか
青唐辛子の辛味は、実の内側の種がついている白い部分でつくられます。同じ株でも、乾いた暑い時期の実は辛く、雨が続いた涼しい時期の実は穏やかになります。株が水切れや根詰まりで苦しんでいるときも辛味が強まりますが、青採りでは株を苦しめず、天候に任せるのが基本です。
| 条件 | 辛味 | 覚えておくこと |
|---|---|---|
| 真夏の晴天続き | 強く乗る | 同じ品種でも7〜8月の実がいちばん辛い |
| 雨が続いた週 | 穏やか | 水で薄まるのではなく、つくられる量が減る |
| 秋の涼しい時期 | はっきり乗る | 実は小さくても辛味と香りが濃い |
| 若採り | 穏やか | 辛いのが苦手なら早めに採る |
| 赤くなった実 | 最も強い | 青採りの株でも赤くした実は赤採りと同じ |
秋に植えた株は、夜温15℃が区切り
8月末に植えた株は、9月のうちに一番花が咲いて枝が分かれ、10月に入るころ最初の実が採れます。問題はそのあとです。夜温が15℃を下回ると生育が目に見えて鈍り、10月後半以降に咲いた花は、受粉しても実が太らないことが増えます。関東なら10月下旬から11月上旬がその境目です。
だから秋植えの株では、10月中旬までに咲いた花を確実に実にすることに力を注ぎます。それ以降のつぼみは摘んでしまい、すでについている実を太らせます。霜の予報が出たら、小さい実もすべて採り切って加工に回します。
| 時期(関東) | 夜温の目安 | 株の様子 | やること |
|---|---|---|---|
| 9月 | 20℃前後 | 一番花が咲き、枝が分かれる | 3本仕立て、追肥を切らさない |
| 10月上旬〜中旬 | 15〜18℃ | 最初の実が採れる。花も咲く | 一番果を早採り。咲いた花は実にする |
| 10月下旬〜11月上旬 | 12〜15℃ | 新しい花は実になりにくい | つぼみを摘み、ついている実を太らせる |
| 11月中旬〜 | 10℃以下、霜の心配 | 葉が落ち始める | 小さい実も採り切る。鉢は室内へ |
鉢なら室内で冬を越させ、春に切り戻す
トウガラシは日本では一年で終わる野菜として扱われますが、本来は多年草です。霜に当たらなければ枯れず、鉢植えなら室内の明るい窓辺で冬を越し、春に切り戻すと前の年より早く実がつきます。2年目の株は根ができているので、植え付けから一番花までの時間が要らず、6月から採れることもあります。
- 霜が降りる前に室内へ
- 最低気温が8℃を切る予報が出たら、残った実を採り切り、鉢を室内の日が当たる窓辺に入れます。夜は窓から離して、冷気が当たらないようにします。
- 枝を半分に切り戻し、葉を減らす
- 取り込む前に、枝を全体の半分ほどの高さで切り戻します。葉が多いと水を吸えずにしおれるので、込んだ枝も整理して、室内で管理しやすい大きさにします。
- 水は控えめ、肥料はなし
- 冬の間は土の表面が乾いてから2〜3日たって水を与えます。肥料は与えません。葉が少し落ちても、枝が緑なら生きています。
- 4月下旬に外へ出し、植え替える
- 夜温が10℃を超えるようになったら、昼だけ外に出して慣らします。5月に新しい土に植え替えて追肥を始めると、新しい枝が伸びて6月には花がつきます。
冬越しの株にはアブラムシやハダニがついたまま入ることがあります。取り込む前に葉裏を水で洗い、室内でも週に1回は葉裏を見ます。
よくある質問
いつ?
9月: 20℃前後。10月上旬〜中旬: 15〜18℃。10月下旬〜11月上旬: 12〜15℃。11月中旬〜: 10℃以下、霜の心配。
よくある失敗と戻し方は?
花が咲いてから3〜4週間で、実は品種本来の長さに届きます。目安は、実が太って肌に張りと艶が出て、指で押すとかたく感じることです。この状態から1週間ほどが青採りの適期で、それを過ぎると実の色が黒ずみ始め、やがて赤くなります。品種によって大きさが違うので、長さより肌の張りで判断します。
青唐辛子の収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
青唐辛子の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は青唐辛子の育て方にまとめています。
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