仕組みから知るなら ピーマン・トウガラシの枝の増え方と仕立て|花のたびに2本に分かれて倍々に増える
青採りは採り続けるので、枝を多めに残してよい
枝が倍々に増える仕組みと切る場所の考え方は、共通の解説『ピーマン・トウガラシの枝の増え方と仕立て』にまとめています。ここでは青唐辛子を青採りで育てるときに、どこまで枝を残し、どこで止めるかだけを書きます。
青唐辛子は開花から3〜4週の若い実を次々に採ります。実が株に乗っている期間が短く、1つの実が株にかける負担はパプリカの数分の一です。だから赤く熟すまで実を抱えるトウガラシやパプリカより枝を多めに残してよく、花のつく枝は原則として切りません。
それでも無制限ではありません。株の内側に向く枝と、他の枝と重なる枝は、残しても日が当たらず小さい実しかつきません。目安は株を真上から見て土が所々見えること、横から見て株の中まで光が差すことです。この2つを保てる範囲で、枝は残します。
- 花のつく枝は残す
- 葉を1〜2枚出して先端に花をつけている枝は、青採りの収穫源です。外向きで日が当たる位置なら、本数が増えても切らずに残します。
- 切るのは内向枝と重なりだけ
- 株の中心に向かって伸びる枝と、同じ方向に伸びて葉が重なる枝の弱いほうを付け根で切ります。これ以外は夏の間は切らずに様子を見ます。
- 一度に切るのは2〜3割まで
- 切るときも全体の2〜3割までにし、1〜2週間おきに少しずつ切ります。一気に切ると葉が減って実が日焼けし、採れない期間ができます。
鉢の大きさで本数を決める。10リットルは2本、15リットル以上は3本
青唐辛子は鉢植えで作る人が多く、仕立ての本数は鉢の土の量で決めます。10リットルの鉢なら主枝と側枝1本の2本仕立て、15リットル以上の鉢と露地なら主枝と側枝2本の3本仕立てが目安です。土が少ない鉢で3本に増やすと、夏に水と肥料が追いつかず実が小さくなります。
2本仕立ては本数が少ないぶん1本ごとの枝が太り、実の長さがそろいます。3本仕立ては数が採れますが、支柱を3本立てて枝ごとに支えないと、実の重みと風で分かれ目が裂けます。
| 鉢の大きさ | 仕立て | 支柱 | 追肥の目安 |
|---|---|---|---|
| 10リットルの鉢 | 2本仕立て | 2本を左右に開く | 2週間に1回、量は控えめ |
| 15〜20リットルの鉢 | 3本仕立て | 3本で合掌型 | 2週間に1回 |
| 露地、株間50センチ | 3本仕立て | 3本で合掌型 | 2週間に1回、水も切らさない |
| 8月末以降の遅植え | 今ある枝のまま | 1〜2本で十分 | 植え付け2週後に1回、あとは控える |
一番花の下のわき芽を取り、骨格を作る
植え付けから2〜3週で主茎に一番花がつき、そのすぐ下で枝が2〜3本に分かれます。ここから下の節に出るわき芽は、株の土台に使う分だけ残して、あとは全部取ります。2本仕立てなら一番花のすぐ下の勢いのよいわき芽を1本、3本仕立てなら2本残します。
- 一番花の節を見つける
- 主茎を下から数えて最初の花かつぼみのある節を探します。そこで茎が分かれていれば、それが仕立ての基準になる分かれ目です。
- すぐ下の勢いのよい芽を残す
- 分かれ目のすぐ下から出る太いわき芽を、2本仕立てなら1本、3本仕立てなら2本残します。残す芽は主枝と反対側に伸びるものを選ぶと形が開きます。
- それより下は指でかく
- 残す芽より下のわき芽は、5センチになる前に付け根を指で横に倒して取ります。晴れた日の午前中に行い、2週間後にもう一度見直します。
- 枝ごとに支柱を立てる
- 残した枝それぞれに支柱を立て、分かれ目の少し上を八の字に結びます。2本仕立ては左右に開き、3本仕立ては合掌型に組みます。
一番果は親指の大きさで早採りする
一番花の実は株がまだ小さいうちにつくので、大きくするまで待つと株の成長が止まり、その後の枝の伸びが鈍ります。青唐辛子は青採りが前提なので、ためらわずに採れます。一番果は長さ3〜4センチ、親指ほどで採り、2段目、3段目も株が小さいうちは小さめで採ります。
株が十分に茂ったら、開花から3〜4週の実を順に採るいつものリズムに移ります。採り遅れた実が1本でも残ると株はその実に養分を回し、次の花が落ちやすくなります。採り切ることが、枝を多めに残した株を疲れさせないいちばんの手入れです。
- 一番果は3〜4センチで採る
- 一番花が実になったら、親指ほどの大きさで摘み取ります。食べるには小さいですが、株を作るための収穫です。
- 株が茂るまで小さめで採る
- 2段目と3段目の実も、枝が4〜6本に増えて葉が茂るまでは、通常より一回り小さいうちに採ります。
- 採り遅れを残さない
- 週に2回は株の中まで見て、開花から4週を過ぎた実を残さないようにします。葉の陰に隠れた実が株を疲れさせます。
8月末植えなど遅植えの株は、枝を増やさず今ある花を実にする
園芸店で売れ残った苗や、挿し木で増やした株を8月末から9月に植えることがあります。この株に春植えと同じ仕立てをすると、枝は増えても実が採れる前に霜が来ます。新しい枝が伸びて花が咲き、実が採れる大きさになるまでには9〜12週かかるからです。
遅植えの株は、植え付け時についている枝と花をそのまま生かします。わき芽かきも最小限にし、新しい分かれ目の先に出る芽は摘んで、株の養分を今ついている花と実に集めます。関東の平地なら霜が降りる11月下旬ごろまでに、植え付け時の花から1〜2回の収穫が見込めます。
- 植え付け時の枝はすべて残す
- 遅植えの株は骨格を選び直しません。ついている枝と花はすべて残し、一番花より下のわき芽だけを取ります。
- 新しい分かれ目の先を摘む
- 植え付け後に新しく伸びた枝の先端は、葉を2枚残して摘みます。枝を増やす養分を、今ついている花と実に回します。
- 追肥は軽く、水は切らさない
- 枝を増やさないので追肥は春植えより控えめにし、水だけは切らさないようにします。夜が涼しくなると実の太りが遅くなるので、鉢なら日なたの壁際へ寄せます。
- 霜の前に採り切る
- 小さくても霜の前にすべて採ります。株を残して冬越しさせるなら、収穫と冬越しの解説の手順に移ります。
内向枝と下葉を整理して、株の中に光を入れる
枝を多めに残す分、株の内側は込みやすくなります。内向枝と重なった枝、一番果より下の葉を少しずつ取って、株の中に光と風を通します。込んだままにするとアブラムシとハダニが内側にすみつき、実に穴をあける虫も見つけにくくなります。
青採りで採り続けている株は、夏に枝を半分の高さで切り戻すより、弱い枝を間引いて数を戻すほうが向いています。切り戻すと2〜3週間収穫が止まりますが、間引きなら採りながら株を立て直せます。
- 内向枝は付け根で切る
- 分かれ目から株の中心に向かって伸びる枝は、どれだけ伸びても日が当たりません。見つけ次第、付け根で切ります。
- 一番果より下の葉を取る
- 一番果がつくころには分かれ目より下の葉は役目を終えています。黄ばんだものから順に取り、株元に風を通します。
- 花のつかない枝を間引く
- 葉を3枚以上出しても花をつけない枝と、細くて実の小さい枝を付け根で切り、残した枝に養分を集めます。
- 切った日は追肥と水を見直す
- 枝を減らした日は追肥を1回入れます。葉が減って土が乾きにくくなるので、水のやりすぎにも気をつけます。
よくある質問
量の目安は?
10リットルの鉢なら主枝と側枝1本の2本仕立て、15リットル以上の鉢と露地なら主枝と側枝2本の3本仕立てが目安です。
青唐辛子のわき芽かき・整枝に使うもの
この作業でいちばん気をつけるのは、切り口から病気を移さないことです。道具そのものより、使い方に関わるものを挙げます。
- 園芸ばさみ探す言葉「園芸ばさみ ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後のステンレス製。細い茎を切るので、剪定ばさみより小回りの利くものを。
よく切れるはさみは切り口が潰れません。潰れた切り口は乾きにくく、病気の入り口になります。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80% のもの。スプレー式が作業中に使いやすいです。
ウイルス性の病気は、はさみを介して株から株へ移ります。株を変えるたびに刃を拭くだけで防げます。
- 誘引テープ探す言葉「誘引テープ 園芸」
- 規格の目安
- 幅 10mm 前後。伸びる素材のもの。
整枝したあとは枝の位置が変わります。そのつど留め直すので、切って使える長さのものが便利です。
- わき芽は指で折れる大きさのうちに取れば、はさみは要りません。手で折ったほうが切り口も早く乾きます。
- 癒合剤は太い枝を切る木の作業のもので、野菜には要りません。
青唐辛子の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は青唐辛子の育て方にまとめています。
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