仕組みから知るなら ピーマン・トウガラシの枝の増え方と仕立て|花のたびに2本に分かれて倍々に増える
症状から原因を切り分ける
青唐辛子の株に異変が出たとき、まず見るのは実か、葉か、株全体かです。実の穴は虫、実の先の腐りは水の管理、葉の縮れは虫か病気、株全体のしおれは根の病気というように、場所でおおよその原因が決まります。表で当たりをつけてから、該当する節を読んでください。
| 症状 | 考えられる原因 | 急ぎの度合い |
|---|---|---|
| 実に丸い穴があき、ふんが付く | タバコガの幼虫 | 高い。実を渡り歩く |
| 実の先が黒くへこんで腐る | 尻腐れ(カルシウム不足) | 中。水の管理を見直す |
| 新芽が縮れ、小さな虫が群がる | アブラムシ | 高い。モザイク病を運ぶ |
| 新しい葉にまだら模様、株が小さい | モザイク病 | 株は治らない。抜く |
| 葉の表に白いかすり、裏に細かい虫 | ハダニ | 中。乾燥した時期に急増 |
| 葉が緑のまま昼にしおれ、朝戻る | 青枯病 | 高い。株ごと処分 |
| 実や茎に水がしみたような褐色の斑 | 疫病 | 高い。雨の跳ね返りで広がる |
アブラムシと、それが運ぶモザイク病
アブラムシは新芽と葉裏、つぼみに群がって汁を吸い、新芽の伸びを止めます。やっかいなのは、アブラムシがモザイク病のウイルスを株から株へ運ぶことです。モザイク病にかかると新しい葉に濃淡のまだら模様が出て縮れ、実にも凹凸が出ます。治す方法がないので、アブラムシを早く見つけることが、そのままモザイク病の予防になります。
- 週に2回、新芽の裏を見る
- 収穫のついでに株の先端の新芽と、若い葉の裏を見ます。アブラムシは最初に新芽の先に数匹つき、1週間で数十匹に増えます。
- 少なければ水で洗い流す
- 数が少ないうちは、霧吹きやシャワーで葉裏から洗い流します。粘着テープで取る方法も、5株なら十分に間に合います。
- 多いときは葉ごと切る
- 葉が黒くすすけるほど増えた枝は、葉ごと切って袋に入れて処分します。残った株に薬剤を使うなら、収穫前日数を守れるものを選び、葉裏に届くようにかけます。
- まだらの葉が出た株は抜く
- 新しい葉にまだら模様と縮れが出たら、モザイク病です。他の株に広がる前にその株を抜き、触った手とハサミを洗ってから他の株に触ります。
タバコガは実の中に入る
オオタバコガとタバコガの幼虫は、7月から10月に実に丸い穴をあけて中に入り、内側から食べます。1匹が1つの実で満足せず、次々と実を渡り歩くので、放っておくと株の実の半分がだめになります。穴の周りに黒いふんが付いているのが目印です。中に入った幼虫には薬剤が届かないので、見つけ次第、実ごと取ることになります。
- 穴のあいた実は中の幼虫ごと取る
- 穴のあいた実を見つけたら、すぐにもいで中を割り、幼虫をつぶします。実を株に残しておくと、幼虫が次の実に移ります。
- つぼみの食害も見逃さない
- 小さい幼虫はつぼみや若い実から食べ始めます。つぼみに穴があいて茶色くなっていたら、周りの実も確かめます。
- 防虫ネットで成虫を入れない
- 実がつき始めたら、目合い1ミリ程度の防虫ネットを支柱ごとかけると、夜に飛来する成虫が卵を産めません。鉢植えなら風通しを損なわずにかけられます。
ハダニは乾いたベランダで増える
ハダニは梅雨明けから9月の乾いた暑い時期に、雨の当たらないベランダや軒下で急に増えます。葉の表に白い小さな点がかすり状に広がり、葉裏を見ると細かい虫が動いています。ひどくなると葉が白っぽくなって落ち、実が太らなくなります。雨が苦手な虫なので、葉裏に水をかけることが予防にも対処にもなります。
- 水やりのついでに葉裏へ水をかける
- 真夏は朝の水やりのときに、ジョウロやシャワーで葉裏にも水をかけます。これだけでハダニの増え方が大きく変わります。
- 白いかすりが出た葉は切る
- かすりが広がった葉は、戻らないので切り取ります。葉を減らすことで株の中の風通しもよくなります。
- 薬剤は同じものを続けない
- ハダニは薬剤に慣れやすい虫です。使うなら葉裏にていねいにかけ、2回目は違う系統の薬剤にします。
尻腐れと日焼けは病気ではない
実の先が水にしみたように変色し、黒くへこんで腐るのが尻腐れです。病気ではなく、水切れや根の傷みでカルシウムが実の先まで届かないために起きます。小さい鉢で真夏に水切れと過湿を繰り返すと必ず出ます。実の肩が白く抜けてかたくなるのは日焼けで、葉を切りすぎて実に直射日光が当たったときに出ます。
どちらも出てしまった実は戻りません。早めに採って株の負担を減らし、原因になった水の管理と葉の量を直すことで、次の実を守ります。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 実の先が黒くへこむ | 水切れと過湿の繰り返し、根の傷み | 朝夕の水やりを安定させる。鉢を大きくする |
| 実の肩が白く抜ける | 葉を切りすぎて直射日光が当たる | 枝の整理を一度に2〜3割までに |
| 実が曲がり、小さい | 肥料切れ、採り遅れ | 大きい実を採って追肥する |
| 実にひびが入る | 乾いたあとの急な水やり | 水の間隔を一定にする |
尻腐れに石灰を追加するのは即効性がありません。まず水やりの回数と鉢の大きさを見直し、それでも続くときに苦土石灰を少量まきます。
青枯病と疫病は、土と水はねから
青枯病は、葉が緑のまま日中にしおれて朝夕に戻ることを数日繰り返し、そのあと株全体が枯れる病気です。土の中の細菌が原因で、前の年にナス科を植えた土を使い回すと出やすくなります。茎を切って水に挿すと白い液がにじみ出るのが見分け方です。疫病は梅雨や秋の長雨の時期に、実や茎に水がしみたような褐色の斑が出て腐ります。雨の跳ね返りで土から広がります。
- 青枯病の株は抜いて処分する
- 治す方法がないので、株ごと抜いて袋に入れて処分します。土は他のナス科に使わず、鉢はよく洗って日に干します。
- 疫病の実と枝は早く切る
- 褐色の斑が出た実と枝は、広がる前に切り取ります。株元の葉を取って風を通し、雨の日に水やりをしないようにします。
- 株元に敷き藁をして水はねを防ぐ
- 鉢の土の表面に敷き藁やバークチップを敷くと、雨と水やりの跳ね返りが減り、疫病の予防になります。土の乾きもゆるやかになります。
- 来年は新しい土で
- 鉢植えでは、毎年新しい培養土で植えるのがいちばんの予防です。古い土を使うなら、ナス科以外の作物に回します。
よくある質問
よくある失敗と戻し方は?
青唐辛子の株に異変が出たとき、まず見るのは実か、葉か、株全体かです。実の穴は虫、実の先の腐りは水の管理、葉の縮れは虫か病気、株全体のしおれは根の病気というように、場所でおおよその原因が決まります。表で当たりをつけてから、該当する節を読んでください。
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