高い種は一粒ずつポットにまく
中玉トマトの種は交配種が多く、一袋十粒から二十粒ほどで値段も高めです。間引きで捨てる苗を出さないよう、九センチのポットかセルトレイの一穴に一粒ずつまき、念のため二〜三ポットぶん予備をまいておきます。用土は肥料分の少ない市販の種まき用土を使います。
- 用土を湿らせて詰める
- 種まき用土に水を含ませてから容器に詰め、縁から一センチほど下で平らにならします。乾いた土に後から水を注ぐと種が片寄ります。
- 深さ五ミリに一粒
- 中央に深さ五ミリほどのくぼみを作り、種を一粒寝かせて置きます。土を薄くかけて指で軽く押さえ、種と土を密着させます。
- 霧吹きで水を与える
- 表面がしっとりするまで霧吹きで水を与え、ラップか新聞紙をかけて乾きを止めます。夏まきは日陰の涼しい場所に置きます。
芽が出てからの水と鉢上げ
中玉トマトの苗は房の数が多く付く分、育苗の終わりに肥料が切れると下葉から黄色くなります。鉢上げのあとは葉の色を見て、薄くなってきたら液体肥料を足します。水やりは土の表面を触って乾いていたら与え、湿っているうちは控えます。
- 芽が見えたら覆いを外す
- 芽が土を持ち上げたらラップや新聞紙を外し、春まきは明るい窓辺へ、夏まきは朝日の当たる場所へ移します。
- 本葉二枚で鉢上げ
- セルトレイの苗は本葉二枚になったら十二センチのポットに移します。ポットにまいた苗は、そのまま植えるまで育てます。
- 水やりは朝、乾いたら
- 春まきは朝に一回、表面が乾いていたら与えます。夏まきは朝に加え、夕方に乾いていれば軽く与えて夜の温度も下げます。
- 葉色が薄れたら液肥
- 鉢上げから二週間ほどたって下葉の色が薄くなったら、薄めた液体肥料を週に一回与えます。葉が濃い緑のうちは与えません。
植える苗の目安と外気への慣らし
春まきは本葉七枚から八枚で一段目の花が咲きかけたころ、最低気温が十度を超える日が続いたら植えます。夏まきは本葉五枚から六枚の若い苗で植えたほうが、暑さの中でも根付きが早くなります。夏に花が咲くまで鉢で待たせると、根が巻いて植えた後に止まります。
- 春は一週間かけて慣らす
- 植える一週間前から夜も屋外に置き、外の寒暖差に慣らします。初めの数日は軒下に置き、冷え込む夜は不織布をかけます。
- 夏は日よけを外していく
- 夏まきは植える三〜四日前から寒冷紗を外す時間を少しずつ延ばし、強い日差しに慣らします。植えるのは曇りの日か夕方にします。
春まきか夏まきかで育苗の日数が変わる
中玉トマトは大玉より育ちが早く、ミニトマトより少し遅い中間の性質です。春にまいて初夏に植える作型が基本で、まいてから一段目の花が咲きかけるまで五十五日から六十五日かかります。二月下旬から三月にまくので、夜の加温が欠かせません。
中玉は暑さで実が割れにくい品種が多く、六月にまいて秋に採る夏まきにも向いています。夏まきは加温が要らない代わりに、高温で苗が伸びるのを抑える管理が中心になります。育苗は三十日前後と短く、小さめの苗で植えます。
| 作型 | まく時期 | 植える時期 | 温度管理の中心 |
|---|---|---|---|
| 春まき(関東の露地) | 3月上旬〜中旬 | 5月上旬〜中旬 | 夜の加温と保温 |
| 春まき(寒冷地) | 3月下旬〜4月上旬 | 5月下旬〜6月上旬 | 夜の保温 |
| 加温なしの遅まき | 4月上旬〜中旬 | 6月上旬〜中旬 | ほぼ不要 |
| 夏まき(秋採り) | 6月上旬〜中旬 | 7月上旬〜中旬 | 暑さよけと遮光 |
夏まきは暖地と関東の平野部向けです。寒冷地では秋の冷え込みが早く、実が色付く前に寒さが来ます。
春まきは夜の保温、夏まきは昼の暑さよけ
発芽の適温は地温二十五度から三十度で、五日から七日で芽がそろいます。春まきでは室内でも夜の地温が十五度を切るため、育苗用のヒーターマットか発泡スチロール箱で土を温めます。芽が出たら昼は二十度から二十五度、夜は十二度前後に下げます。
中玉トマトの苗が耐えられる夜の最低温度は十度で、これを下回る夜は室内に取り込むか箱で保温します。冷えた夜が続くと葉の裏が紫色を帯び、育ちが一週間ほど止まります。
夏まきは逆に、昼の気温が三十度を超えて苗がひょろりと伸びます。発芽までは風通しのよい日陰で地温を三十度以下に抑え、芽が出たら朝夕だけ日に当て、昼は寒冷紗で光を半分ほどさえぎって温度を下げます。
- 春は夜だけ箱で保温
- 春まきの苗は、日中は窓辺か屋外の日なたに置き、夕方に発泡スチロール箱へ入れます。ヒーターマットがあれば箱の底に敷き、夜の温度を十二度前後に保ちます。
- 夏は昼に日よけをかける
- 夏まきの苗は、午前十時から午後三時ころまで寒冷紗の下に置きます。コンクリートの上は照り返しで熱くなるので、台の上に載せます。
| 時期 | 春まきの温度 | 夏まきの温度 | 注意すること |
|---|---|---|---|
| 発芽まで | 地温25〜30度に加温 | 地温30度以下に抑える | 乾かさない |
| 発芽〜本葉2枚 | 昼20〜25度・夜12度前後 | 昼30度以下・夜は外気 | 芽が出たらすぐ光に当てる |
| 本葉3枚以降 | 昼20〜25度・夜10度以上 | 昼は寒冷紗で日よけ | 夜が暖かすぎると伸びる |
どちらの作型でも、夜の温度が高いと徒長(茎が細長く伸びて弱い苗になること)します。春は夜の保温をしすぎない、夏は夕方に水を打って夜を涼しくすることで防ぎます。
うまく育たないときの原因と直し方
育苗中の失敗は、作型によって起きやすいものが違います。春まきは寒さ、夏まきは暑さが原因のことが多いので、まいた時期と症状を合わせて見て判断します。
| 症状 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 春まきで芽が出ない | 地温が20度に届かない | ヒーターマットか箱で地温を上げる |
| 夏まきで芽が出ない | 地温が35度近くまで上がった | 日陰に移し、朝夕に水を与える |
| 葉の裏が紫色になる | 夜10度を下回った | 夜は室内か箱で保温する |
| 茎が細く間延びする | 夜の高温と光不足 | 夜を下げ、昼はしっかり日に当てる |
| 下葉から黄色くなる | ポットの肥料切れ | 液体肥料を与え、早めに植える |
種まきの手順
中玉トマトは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
中玉トマトの種まきでよくある質問
中玉トマトの種はいつまく?
発芽まで: 地温25〜30度に加温。発芽〜本葉2枚: 昼20〜25度・夜12度前後。本葉3枚以降: 昼20〜25度・夜10度以上。
中玉トマトの種はどうやってまく?
間引きで捨てる苗を出さないよう、九センチのポットかセルトレイの一穴に一粒ずつまき、念のため二〜三ポットぶん予備をまいておきます。
中玉トマトの種まき後の水やりは?
乾いた土に後から水を注ぐと種が片寄ります。
中玉トマトの間引きはいつする?
間引きで捨てる苗を出さないよう、九センチのポットかセルトレイの一穴に一粒ずつまき、念のため二〜三ポットぶん予備をまいておきます。
中玉トマトの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
中玉トマトの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は中玉トマトの育て方にまとめています。
スマホのカメラで読み取ると、ストアが開きます
iPhone 対応。Android 版はベータ版テスター募集中 (Premium 6 か月の特典つき)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。