受粉が要る瓜と要らない瓜
瓜類には雄花と雌花が別々に咲きます。カボチャ、スイカ、メロン、ズッキーニ、ニガウリは雌花に花粉が付かないと実が育たず、小さいまま黄色くなって落ちます。虫が少ない家庭菜園では、朝に人の手で受粉するのが確実です。
キュウリは例外で、多くの品種が受粉しなくても実が太る性質を持ちます。受粉するとかえって実が曲がったり種が硬くなったりするので、キュウリには人工授粉をしません。まず自分の育てている種類がどちらかを確かめます。
| 種類 | 人工授粉 | 理由 |
|---|---|---|
| キュウリ | 不要 | 受粉なしで実が太る。すると曲がりやすい |
| ズッキーニ | 必要 | 虫が少ないと実が先端から腐る |
| カボチャ | 必要 | 確実に実を付けたい節に付けられる |
| スイカ | 必要 | 受粉日を記録して収穫日を決める |
| メロン | 必要 | 孫づるの雌花に確実に付ける |
| ニガウリ | あると安心 | 虫が多ければ自然に付く |
雌花は花の下に小さな実がある
雄花と雌花は花の付け根を見れば分かります。雌花は花の下に小さな実の元が付いていて、カボチャなら丸い玉、キュウリなら細い棒のように膨らんでいます。雄花は花の下がまっすぐな茎で、膨らみがありません。慣れれば開く前のつぼみでも区別できます。
瓜類は最初に雄花ばかり咲き、雌花はあとから咲きます。植え付けて三週間から四週間、雄花ばかりで雌花が付かないのは普通のことです。雌花はカボチャなら子づるの十節前後、スイカなら子づるの十五節から二十節あたりから咲き始めます。
- 花の付け根を見る
- 花の下に丸や棒の膨らみがあれば雌花、なければ雄花です。前日の夕方に翌朝咲きそうな雌花のつぼみを見つけておきます。
- 雌花が咲く節を数える
- カボチャは十節前後、スイカは十五節以降に雌花が咲きます。それより前の雌花は株が小さいうちなので取ります。
- 雄花を数本残しておく
- 整枝(残すつるを決めて他を切ること)で雄花の付いたつるをすべて切らないよう、朝の受粉に使う雄花を株全体で三本から五本は残しておきます。
受粉は朝九時までに済ませる
瓜類の花は朝に開いて昼にはしぼみ、花粉が働くのは開花した朝の数時間だけです。受粉は朝六時から九時の間に行い、遅くとも十時までに済ませます。雨の朝は花粉がぬれて付かないので、前日の夕方に雄花を摘んで室内に置いておき、翌朝に使うと確実です。
やり方は簡単で、その朝咲いた雄花を摘んで花びらをむしり、中央の花粉を雌花の中央のめしべにこすり付けます。一つの雄花で雌花二つから三つに付けられます。受粉した日を札に書いて雌花のそばに刺しておくと、収穫日を数えるときに役立ちます。
- その朝咲いた雄花を摘む
- 花粉が黄色く出ている雄花を、茎ごと摘みます。指で触って黄色い粉が付けば使えます。
- 花びらをむしって花粉を出す
- 雄花の花びらを全部むしり、中央の花粉の部分だけを残します。筆でもできますが、雄花そのものを使う方が確実です。
- 雌花のめしべにこすり付ける
- 雌花の中央にあるめしべの全面に、雄花の花粉をまんべんなく軽くこすり付けます。一部だけだと実がいびつになります。
- 日付の札を立てる
- 受粉した日を書いた札を雌花のそばに刺します。スイカとメロンは受粉日から収穫日を数えるので特に大切です。
スイカとメロンは受粉した実の形が収穫まで残ります。めしべの片側だけに花粉が付くと片側だけ太った実になるので、全面に付けます。
実の数を決めて残す実を選ぶ
受粉に成功した実が全部育つわけではなく、株の力で育てられる数は決まっています。カボチャは一つるに一個から二個、株で三個から四個、スイカは一つるに一個、株で三個、大玉なら二個、メロンは株で四個までが目安です。それ以上は摘み取って残す実に力を集めます。
残す実は、受粉から一週間ほどたって握りこぶし大になり、形が丸く、つるの中ほどに付いたものを選びます。株元に近すぎる実は小さく、先端に近い実は遅すぎます。同じつるに二つ付いたら、形のよい方を残します。
| 種類 | 株あたりの目安 | 残す実の位置 | 摘む実 |
|---|---|---|---|
| カボチャ | 3〜4個 | つるの10〜20節 | 株元の小さい実、いびつな実 |
| 小玉スイカ | 3〜4個 | 子づるの15〜20節 | 1つるに2個以上付いた小さい方 |
| 大玉スイカ | 2個 | 子づるの15〜20節 | 2個目以降すべて |
| メロン | 4個 | 子づる10〜15節の孫づる | 形の悪い実、遅く付いた実 |
| ズッキーニ | 制限なし | 順に収穫 | 大きくなりすぎる前に穫る |
実が落ちるときの原因と切り分け
受粉したはずの実が数日で黄色くなって落ちるなら、原因は受粉の失敗、株の力不足、雨か低温のどれかです。受粉した翌日から実が太り始めていれば成功、変わらず縮んでいくなら失敗です。三日見て太らない実は、諦めて次の雌花に切り替えます。
梅雨の時期はどうしても落ちやすく、雌花のたびに受粉して数を打つしかありません。株が小さいうちの雌花は力が足りずに落ちるので、株が十分に育ってから付いた雌花に受粉する方が成功します。ズッキーニで実の先端だけ腐って落ちるのは、ほぼ受粉不足です。
- 受粉三日後に太さを見る
- 受粉時より明らかに太っていれば成功です。同じか縮んでいれば失敗なので、次の雌花に切り替えます。
- 落ちた実を数える
- 続けて三個以上落ちるなら株の力不足です。つるを減らし、追肥を軽く与えて株を育て直します。
- 雨の日は前日の雄花で受粉
- 雨で花粉が働かない朝は、前日夕方に摘んで室内に置いた雄花を使います。花粉が乾いていれば付きます。
瓜類の人工授粉に使うもの
かぼちゃやすいかのように、朝の数時間しか受粉できない作物があります。虫が来ない年でも実を付けるための道具です。
- 授粉用の毛ばたき・綿棒探す言葉「人工授粉 毛ばたき 園芸」
- 規格の目安
- 柔らかい毛のはたきか、普通の綿棒。
雄花の花粉を雌花の柱頭へ付けます。強くこすらず、撫でる程度で十分です。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式、長さ 10cm 前後。
受粉した日を書いて実の近くに挿しておくと、収穫の適期を日数で判断できます。かぼちゃやすいかはここを外すと大きく味が変わります。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 目付 20g/㎡ 前後。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
雨の日の朝は花粉が流れます。前の晩にかけておくと、翌朝の受粉に間に合います。
- 虫がよく来る畑なら、人工授粉は要りません。まず朝に花を見に行って確かめます。
- 雄花を摘んで雌花に直接付ければ、道具は何も要りません。
瓜類の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は瓜類の育て方にまとめています。
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