四か月の短い作期
緑豆は生育期間が九十日から百日と短く、六月にまけば九月下旬から収穫が始まります。大豆より一か月ほど早く終わるので、そのあとに秋まきの葉物を続けられるのが利点です。
畑を空ける時期が早いので、あとに秋まきの葉物や玉ねぎを続けられます。夏の間だけ区画を貸すつもりで組み込むと、畑の回し方が楽になります。
| 時期 | 作業の山 | かかる手間 |
|---|---|---|
| 6月 | 土づくりと種まき、鳥よけ | 半日で終わる |
| 7月 | 間引き、土寄せ二回、草取り | この月がいちばん手がかかる |
| 8月 | 花が咲く。見回りだけ | 日照りのときに水をやる程度 |
| 9月〜10月 | 熟した莢から順に収穫 | 数回に分けて摘み取る |
月別のやることカレンダー
関東平野部の露地を前提にした目安です。寒い地域は全体に半月ほど早め、暖かい地域は半月遅らせると気候に合います。緑豆は暑さで育つので、梅雨明けの早さでも進み方が変わります。
緑豆は熟し方がばらばらなので、収穫の欄だけは日付では区切れません。莢の色を見て、黒くなったものから順に穫っていく前提で読んでください。
種まきの時期だけは守る価値があります。六月にまければ、あとは莢の色を見ながら穫るだけなので、初めての年でも失敗しにくい作物です。
| 月 | やること | 見るところ |
|---|---|---|
| 5月 | 石灰と堆肥を入れて耕す | 肥料は他の野菜の半分以下にする |
| 6月 | 種まき、不織布で鳥よけ | 本葉三枚で布を外す |
| 7月 | 間引き、土寄せ二回、草取り | 背丈が伸びすぎていないか |
| 8月 | 黄色い花が咲く。日照りなら水やり | 花が落ちていないか毎日見る |
| 9月 | 莢が黒くなり始める。順に収穫 | 黒い莢から摘む。緑は残す |
| 10月 | 収穫の続き。終わったら株を刈る | 長雨で莢が傷まないうちに穫る |
| 11月 | 乾燥と脱穀、選別、保存 | 豆に爪が立たなくなるまで干す |
七月に手を入れておく
七月は間引き、土寄せ、草取りが重なる月です。ここで手を入れておけば、八月以降はほとんど見回りだけで済みます。休みの日を半日確保して一度に片づけてしまうのが結局は楽になります。
八月に入ってからは、水やりと虫の見回り以外にやることがほとんどありません。手のかからない時期が長いのは緑豆の魅力でもあり、他の作物に時間を回せます。
- 上旬に間引き
- 本葉二枚のころに一本か二本立ちにします。同時に一回目の土寄せ(株元へ土を寄せて支えること)をして株元を安定させます。
- 下旬に二回目の土寄せ
- 花が咲く前に株元が隠れるまで土を寄せます。倒れにくくなり、莢が土に触れる被害も減ります。
- 草を片づける
- 葉が畝を覆うまでの最後の草取りです。ここを越えれば秋まで草はほとんど気になりません。
土寄せは雨の翌日など土が湿っている日に行うと、作業が軽くて早く終わります。乾いてかたい日は無理をしないでください。
九月からは何度も摘む
緑豆は莢が一度に熟さないので、九月下旬から十月にかけて、三回から五回に分けて収穫します。黒くなった莢を放っておくと自然にはじけて豆が落ちるため、こまめに見に行くことが収穫量を守ります。
摘み取るときは、まだ緑の莢を傷めないよう指先だけで作業します。株を強く揺すると、熟した莢がその場ではじけて、豆が地面に落ちてしまいます。
| 状態 | 判断 | やること |
|---|---|---|
| 莢が緑で平たい | まだ早い | そのまま置く |
| 莢がふくらんで色が薄くなった | もうすぐ | 数日後にもう一度見る |
| 莢が黒く乾いた | 穫りどき | その莢だけを摘み取る |
| 莢が縦に割れた | 遅い | 落ちた豆を拾い、見回りの間隔を詰める |
地域でずれる時期の目安
緑豆は高温で育つ作物なので、地域差は主に秋の冷え込みの早さに出ます。気温が下がると熟すのが止まり、緑の莢を残したまま終わることがあります。
霜が降りると株は枯れます。緑の莢が残っていても、そこで熟すのは止まるので、霜の予報が出たら株ごと刈って室内で追熟させてください。
| 地域 | 種まき | 収穫 |
|---|---|---|
| 寒い地域 | 6月上旬まで | 9月中旬〜10月上旬。遅まきは向かない |
| 関東の平野 | 6月〜7月上旬 | 9月下旬〜10月下旬 |
| 暖かい地域 | 6月〜7月中旬 | 10月〜11月上旬 |
時期の判断で迷ったときは
予定どおりに進まない年もあります。日付ではなく株と莢の姿を見れば、次に何をすべきかは判断できます。特に収穫は莢の色だけを頼りにして構いません。
- 八月に花が咲かない
- 肥料が多い可能性があります。追加をやめて様子を見れば、九月に咲いて莢は付きます。
- 十月でも緑の莢が多い
- 遅まきの年に起こります。霜が降りる前に株ごと刈り、風通しのよい場所で吊るして追熟させます。
- 収穫が追いつかない
- はじける前に穫るのが原則ですが、株の下にシートを敷いておけば、落ちてしまった豆もあとから拾えます。
- 雨が続いて穫れない
- 濡れた莢を穫るとかびます。晴れ間を待って穫り、その日のうちにざるへ広げて乾かし始めてください。
- 株の一部だけ枯れた
- 水はけの悪い場所にある株から先に弱ります。畝の間に溝を切って水を抜き、残りの株を守ってください。
緑豆の栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
緑豆の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は緑豆の育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。