八割倒伏という目安の意味
球が太りきると、葉のつけ根の組織がゆるんで自重で倒れます。つまり倒伏は、株が肥大を終えたという内側からの合図です。畑全体を見わたして、およそ八割の株が倒れた時点が収穫の適期になります。
早く抜きすぎると球が小さいだけでなく、首がまだ太く水分が多いため乾きにくく、貯蔵中に腐ります。逆に倒れてから長く置くと、球の外皮が土中で傷み、根元から水が入って傷みやすくなります。倒伏後およそ一週間から十日が引き際です。
- 倒伏の割合を数える
- 列ごとに倒れた株をざっと数え、八割に達したかで判断します。早く倒れた株は病気の可能性があるので、数から除きます。
- 首の締まりを見る
- 葉のつけ根がゆるみ、指でつまむと柔らかくなっていれば肥大が終わった合図です。硬く太いままなら、まだ早い株です。
- 雨で倒れた株は数えない
- 大雨や強風で倒れた株は肥大が終わった合図ではありません。翌日に起き上がるかで見分け、起きる株は倒伏の数に入れません。
一部の株だけ早く倒れることがありますが、それは肥大でなく病気や根の傷みによる倒伏です。全体の割合で判断し、早倒れの株は別に扱ってください。
収穫する日の選び方
- 晴天が二日から三日続く日
- 収穫日とその後の乾燥期間まで晴れる見込みの日を選びます。抜いた直後に雨に当てると、そこから乾燥が滞り、貯蔵性が落ちます。
- 雨上がりの直後は避ける
- 土が湿っていると球に土がつき、乾きが遅くなります。前日に雨があった場合は一日から二日おいて、表土が乾いてから抜きます。
- 作業は午前中に
- 朝のうちに抜いて畑に並べ、日中の日射と風で表面を乾かします。夕方に抜くと、湿った夜を濡れたまま越すことになります。
- 梅雨入りが先なら見切る
- 倒伏が六、七割でも梅雨入りが迫っているなら、早めに収穫して乾かすほうが有利です。乾かせない年は、大きさより保存を優先します。
暖地の晩生では、収穫適期と梅雨入りが重なる年があります。天気予報を一週間単位で見て、乾かせる窓を先に押さえてください。
畑での予備乾燥
抜いた球は、その場で二日から三日、畑に並べて干します。並べるときは、球に葉がかぶさるように少しずつ重ね、日射で球が直接焼けないようにします。日焼けした部分は変色し、そこから腐りが始まります。
この段階で乾かすのは主に外皮と根です。根が乾いて縮み、外側の皮がかさかさと音を立てるようになれば、次の工程へ移せます。地面が湿っている畑では、コンテナや台の上に上げて風を通すほうが確実です。
| 工程 | 場所 | 日数の目安 |
|---|---|---|
| 予備乾燥 | 畑の上、日なた | 2から3日 |
| 本乾燥 | 軒下など雨の当たらない風通しのよい場所 | 2から3週間 |
| 貯蔵 | 同じ場所に吊るしたまま | 品種により1か月から半年 |
吊るし方の実際
- 葉を三十センチ残して切る
- 束ねるための持ち手として葉を残します。首元で切り落とすと、切り口から菌が入って傷みやすくなります。
- 四つから六つで束ねる
- 大きさの近いものを四つから六つずつ、葉を交互に組んでひもで縛ります。多く束ねすぎると内側が蒸れ、そこから腐りが回ります。
- 軒下に間隔をあけて吊るす
- 雨の当たらない、風の通る日陰に吊るします。束と束が触れないよう手のひら一枚ぶんあけると、蒸れが避けられます。
- 傷んだ球を先に分ける
- 首が締まらない球、分球した球、傷のある球は吊るさずに分け、早く食べます。一つの腐敗が束全体に広がることを防げます。
葉が細くて束ねられない場合は、根と葉を短く切って網袋やコンテナに浅く入れ、床から浮かせて風を通します。積み重ねないことが条件です。
品種で変わる保存期間
極早生と早生は、水分が多く貯蔵にはほとんど向きません。収穫後一か月ほどで芽が動き始めるので、生のまま楽しむか、刻んで冷凍します。中生はおよそ三か月から四か月、貯蔵性の高い晩生であれば、条件がよければ翌年の春先まで持ちます。
保存に適した場所は、涼しく乾いて風が通るところです。台所の床下や密閉した箱は湿気がこもるため向きません。夏の高温期に一度傷み始めると連鎖するので、月に一度は束を見て、柔らかくなった球を抜いてください。
| 系統 | 収穫の中心 | 保存の目安 |
|---|---|---|
| 極早生 | 3月下旬から4月 | 一か月ほどで芽が動く |
| 早生 | 4月下旬から5月中旬 | 夏まで、8月末が限度 |
| 中生 | 5月下旬から6月 | 3か月から4か月 |
| 晩生 | 6月 | 条件がよければ翌春まで |
冷蔵庫は湿度が高く、丸のままの長期保存には向きません。カットしたものは包んで冷蔵し、数日で使い切ります。
腐らせてしまったときの原因
貯蔵中に腐る原因の多くは、栽培期間の後半にあります。最も多いのが三月中旬以降の追肥(育てている途中で足す肥料)で、首が締まらないまま太った球は水分が抜けず、必ずといってよいほど傷みます。次に多いのが乾燥不足で、梅雨に入ってから収穫した年に集中します。
収穫直前に大雨が続いた年も、球が水を吸って傷みやすくなります。こうした年は、はじめから長期保存をあきらめ、刻んで冷凍したり、加熱して保存したりする方向に切り替えるほうが、結果として無駄が出ません。
腐りが出たら、原因をその年の記録と照らしてください。追肥の日付、収穫日、乾燥にかけた日数。三つのうちどれが外れていたかは、たいてい記録を見ればわかります。
| 傷み方 | 考えられる原因 | 翌年の直し方 |
|---|---|---|
| 首から柔らかくなる | 三月中旬以降の追肥 | 追肥を三月上旬で切る |
| 外皮が湿って黒ずむ | 乾燥の日数が足りない | 本乾燥を二から三週間とる |
| 束の内側から腐る | 一束の数が多く蒸れた | 四つから六つで束ね間隔をあける |
| 収穫直後から傷む | 収穫前の長雨で吸水した | 早採りして加熱や冷凍に回す |
玉ねぎの収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
玉ねぎの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は玉ねぎの育て方にまとめています。
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