植え付けの適期を外さない
定植の適期は、根が動く地温がまだ残っていて、かつ強い霜が来る前という短い期間です。中間地なら十一月上旬から中旬、暖地は十一月中旬、寒冷地は十月中旬が目安になります。植え付けから根が張るまでにおよそ三週間かかると考え、その日数が残っているかで判断してください。
遅れて十二月に植えると、根が張らないうちに地面が凍み、霜柱で押し上げられて多くが枯れます。どうしても遅れたときは、株元にもみ殻や堆肥を厚めに敷き、土が凍る速さを和らげてください。
| 系統 | 定植の目安 | 株間の目安 |
|---|---|---|
| 極早生 | 11月上旬から中旬 | 12センチ |
| 早生 | 11月中旬 | 12から15センチ |
| 中生 | 11月中旬から下旬 | 15センチ |
| 晩生 | 11月下旬 | 15センチ |
植え付け当日が雨上がりで土がべたつくなら、一日待ちます。練った土に植えると根が伸びず、活着が目に見えて遅れます。
畝と土づくりを先に済ませる
タマネギは酸性を嫌い、酸度は六から六点五が適当です。植え付けの二週間以上前に苦土石灰を一平方メートルあたり百から百五十グラム入れ、よく耕しておきます。石灰と肥料を同時に入れると窒素が逃げるため、間を一週間はあけてください。
- 二週間前に石灰
- 苦土石灰を一平方メートルあたり百から百五十グラム入れて耕します。酸性のままだと根の張りが悪く、球が太りません。
- 一週間前に元肥
- 元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)として、堆肥二キログラムと化成肥料百グラムを全面に混ぜます。石灰と同時に入れると窒素が抜けるので、日を分けてください。
- 畝は高く広く
- 幅六十から九十センチ、高さ十センチ以上に立てます。冬の長雨で根が水に浸かるのを避けることが、この作物では最優先です。
- マルチは植える前に
- 黒マルチは畝を立てた直後に張って土になじませます。穴の間隔がそのまま株間になるので、十五センチの列穴が扱いやすいでしょう。
黒マルチを張ると地温が保たれ、雑草と霜柱の被害が減ります。穴の位置がそのまま株間になるので、十五センチ間隔の五列穴あきが扱いやすいでしょう。
植え方の手順
- 株間十二から十五センチ
- 大きな球にしたいなら十五センチ、数を採って小ぶりでよいなら十二センチにします。詰めすぎると肥大期に競合し、球がそろって小さくなります。
- 深さは二から三センチ
- 白い根元が隠れ、葉の分かれ目が地表に出る深さです。指か棒で穴をあけ、苗を落として土を寄せます。
- 深植えを避ける
- 葉の分かれ目まで埋めると生長点が土に埋もれ、球が扁平になったり生育が止まったりします。浅すぎれば霜柱で抜けるので、この数センチの差が効きます。
- 押さえて水をやる
- 株元を軽く押さえて土と根を密着させ、たっぷり潅水します。冬の潅水はこの一回だけと考えてかまいません。
植え穴に苗を落とすとき、根を折り曲げて押し込まないでください。長い根は三センチほどに切りそろえてから植えるほうが、新しい根の出が早くなります。
買った苗を選ぶとき
市販の苗は束で売られており、太さがばらついています。買ったらまず束をほどき、根元の太さで三つに分けてください。五ミリから七ミリを本命として植え、太いものは端に、細いものは株間を詰めて別列にします。
| 苗の状態 | 見立て | 植えるかどうか |
|---|---|---|
| 根元が5から7ミリで締まる | 適期の良苗 | 本命として本畝に植える |
| 根元が8ミリ以上で太い | とう立ちの危険がある | 端に植えて早めに食べる |
| 葉先だけ枯れている | 店頭で乾いただけ | 葉を切り詰めて植えてよい |
| 根元が柔らかく茶色い | 病気か腐りかけ | 植えずに処分する |
すぐ植えられないときは、束のまま日陰の土に仮植えして水をやります。袋に入れたまま数日置くと蒸れて傷みます。
活着したかどうかの見分け
植えてから十日ほどは、葉が寝たまま黄色くなります。これは正常で、失敗ではありません。二週間から三週間して、中心から新しい葉が立ち上がり、緑が濃くなれば活着した合図です。手で軽く引いて抵抗があるかでも確かめられます。
十二月に入っても葉が寝たままで、引くとすっと抜けるようなら根が出ていません。原因は深植え、乾燥、根の傷みのいずれかです。数が少なければ、その時期に手に入る苗を補植するより、春に空いた場所に葉物をまくほうが結果的に無駄が出ません。
| 十二月の株の姿 | 考えられる原因 | どうするか |
|---|---|---|
| 中心から新しい葉が立つ | 活着している | そのまま冬を越させる |
| 葉が寝たまま黄色い | 根がまだ出ていない | 株元を押さえ敷きわらを足す |
| 引くとすっと抜ける | 深植えか根の傷み | 浅く植え直すか補植する |
植えた直後にやっておくこと
植え終わったその日にやっておくと、冬の欠株がはっきり減る作業が三つあります。どれも数分で済みますが、根が張っていない十一月から十二月にしか効かないため、後回しにすると意味がなくなります。
- 敷きわらを薄く
- 株元にもみ殻やわらを敷くと土の乾湿差がやわらぎ、霜柱の持ち上げが軽くなります。厚く盛ると生長点が埋まるので薄くします。
- 品種名の札を立てる
- 列の端に品種と植えた日を書いた札を挿します。極早生と晩生では収穫が二か月違い、春には葉の姿で見分けられません。
- 通路に水の道を
- 畝の裾に浅い溝を切り、雨水が抜ける先まで通しておきます。冬の停滞水は根腐れと土からの病気の最大の原因になります。
玉ねぎの植え付けに使うもの
植え付けの日にそろっていないと後から張り直しになるのが、マルチと防虫ネットです。苗を買う前に用意しておきます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 穴あき 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が早いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。両端を埋めるぶんが要るので、畝の長さ + 1m で見ます。
地温を上げ、雨のはね返りを止め、雑草を抑えます。土からはねる泥は病気の入り口なので、病気が出やすい畑ほど効きます。
- マルチ押さえ(U 字ピン)探す言葉「マルチ押さえ ピン」
- 規格の目安
- 長さ 15cm 前後の鉄製。プラスチック製より風に強いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 20〜30 本。50cm 間隔が目安。
マルチは土をかぶせて留めるのが基本ですが、風の通る場所ではピンを足さないと一晩でめくれます。
- 防虫ネット探す言葉「防虫ネット 目合い1mm」
- 規格の目安
- 目合い 1mm、幅 180cm。トンネル支柱(長さ 210cm・直径 8mm)と合わせて使います。
- 数量の目安
- ネットは畝 1 本(3m)で 4m。支柱は 50cm 間隔で 7 本。
1mm はモンシロチョウやコナガなど、卵を産みに来る蛾や蝶を止めるための目です。アブラムシやアザミウマはこれでは通ります。狙う虫で目合いを決めてください。
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm のステンレス製。目盛りの付いたものは植え穴の深さを見るのに使えます。
根鉢と同じ大きさの穴を掘るための道具です。柄と刃が一体になっているものは曲がりません。
- 支柱を立てない作物なら、トンネル支柱は要りません。
- 穴なしマルチをカッターで開ければ、株間の違う作物にも 1 本で使い回せます。
玉ねぎの収穫までのコツは作物ページに
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