まく日を数日の幅で決める
タマネギの播種適期は、他の秋まき野菜と比べて驚くほど狭く、前後一週間ずれただけで結果が変わります。早すぎれば苗が太りすぎて春にとう立ち(花茎が伸びて葉や根が硬くなること)し、遅すぎれば根が張らないまま冬に入って年を越せません。「九月中旬ごろ」ではなく、地域の適期日を決めてから逆算するのが安全です。
目安は、定植したい日から数えて五十五日から六十日前です。定植は霜が降り始める前に根が動き出す時間が要るため、初霜のおよそ三週間前が上限になります。まずお住まいの初霜の平年日を調べ、そこから定植日、播種日の順にさかのぼってください。
| 地域 | 播種の目安 | 定植の目安 |
|---|---|---|
| 暖地 | 9月下旬 | 11月中旬 |
| 中間地 | 9月中旬〜下旬 | 11月上旬〜中旬 |
| 寒冷地 | 9月上旬〜中旬 | 10月中旬 |
同じ県内でも標高が百メートル上がれば数日早まります。近所の直売所に苗が並ぶ時期は、その土地の定植適期をよく表しています。
種まきの手順
床を平らにならす
苗床は幅六十から九十センチ、深さのある土を細かく砕いて平らにします。凸凹があると水がたまった側だけ徒長(間のびして弱く伸びること)し、太さの揃わない苗になります。
すじまきで密度を守る
条間十センチほどの浅い溝をつけ、一センチに一粒を目安にすじまきします。厚まきは徒長苗の最大の原因で、間引きで取り返すのは困難です。
覆土は五ミリ
種が隠れる程度に薄く覆い、板の背などで軽く押さえて土と密着させます。厚くかけると発芽が不揃いになり、揃わない苗は定植時に選別で減ります。
発芽まで乾かさない
もみ殻や不織布をかけ、発芽するまでは表土を乾かさないよう朝に潅水します。発芽ぞろいまでおよそ七日から十日かかります。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
苗床は本畑とは別の、日当たりと水はけのよい場所に取ります。畑の隅の踏み固められた通路脇は、根が下りずに細い苗になりがちです。
品種を決めてからまく
極早生と早生は播種適期がやや遅め、晩生は早めという違いがあり、袋の裏の適期日は品種ごとに読む必要があります。同じ日に極早生と晩生をまくと、どちらかは必ず適期を外します。
貯蔵したいなら中生から晩生を選んでください。極早生は四月から収穫できて楽しいのですが、貯蔵性はほとんどなく、掘ってから一か月ほどで芽が動きます。家庭菜園では、早く食べる分の極早生を少しと、保存用の中晩生を主体にする組み合わせが扱いやすいでしょう。
| 系統 | 収穫の中心 | 貯蔵の目安 |
|---|---|---|
| 極早生 | 3月下旬から4月 | ほとんど利かず一か月ほど |
| 早生 | 4月下旬から5月中旬 | 夏まで、8月末が限度 |
| 中生 | 5月下旬から6月 | 3か月から4か月 |
| 晩生 | 6月 | 条件がよければ翌春まで |
種は前年の余りを使わないでください。タマネギの種は寿命が短く、一年落ちでは発芽率が目に見えて落ちます。
育苗中に何を見るか
発芽が揃ったら不織布を外し、しっかり日に当てます。育苗期間の五十日あまりで見るのは背丈ではなく、根元の白い部分の太さです。水と肥料が多いと背だけ伸びて倒れやすい苗になり、そのまま植えても寒さで消えていきます。
- 不織布を外す時期
- 発芽が八割そろったら日中は外して日に当てます。かけたままにすると光が足りず、その一週間で徒長苗になってしまいます。
- 間引きは一センチ間隔
- 本葉が二枚のころ、隣と葉が触れる場所だけ抜いて一センチ間隔にします。一度に減らしすぎると残った株が倒れやすくなります。
- 追肥はごく薄く
- 十月上旬に化成肥料をひとつまみ条間に置くか、液肥を規定より薄めて与えます。効かせすぎると根元だけ太る危険な苗になります。
- 長雨は雨よけで切る
- 雨が続く年は苗床に波板やトンネルをかけます。過湿の苗床はべと病の温床になり、根も浅い層にしか下りません。
苗床の段階でべと病が出ると、その苗を植えた畑に病気を持ち込むことになります。黄色くぼんやりした葉の株は、惜しまず抜いて処分してください。
よい苗の姿と、太すぎる苗の危険
定植に向くのは、草丈二十から二十五センチ、根元の太さが五ミリから七ミリ、鉛筆の芯くらいの苗です。指でつまんでしっかりした手応えがあり、葉が三枚から四枚ついていれば合格と考えてよいでしょう。
根元が八ミリを超える太い苗は、冬までに株が育ちすぎ、春に花芽ができてとう立ちします。とう立ちした株は中心に固い花茎が立ち、球は太らず、貯蔵もできません。太さは苗を大きく育てた自慢ではなく、危険信号だと覚えてください。
逆に三ミリ以下の細い苗は、冬の霜柱で持ち上げられて枯れる割合が高くなります。細い苗しか取れなかった年は、株間を詰めて多めに植え、春に生き残った株で採るという割り切り方もできます。
| 根元の太さ | 冬から春の姿 | 扱い方 |
|---|---|---|
| 3ミリ以下 | 霜柱で持ち上げられて抜けやすい | 株間を詰めて別の列に植える |
| 5から7ミリ | そのまま順調に肥大する | 本命として本畝に植える |
| 8ミリ以上 | 春にとう立ちしやすい | 端に植えて葉タマネギで消費する |
太い苗と細い苗を混ぜて植えないでください。生育がばらつき、追肥(育てている途中で足す肥料)や収穫の判断がすべて中途半端になります。太さでより分けて、区画を変えて植えます。
適期を外したときの立て直し
適期を外したと気づいた時点で、取れる手はごく限られています。共通するのは、苗を理想の姿に近づけようとしないことです。ずれた条件はそのまま受け入れて、いま効く一手だけを選んでください。
- まき遅れた年
- 苗を太らせようと定植を待つより、小さいまま適期内に植えます。地温が残るうちに根が下りるかどうかが冬越しを分けます。
- まき早まった年
- 苗床の追肥を止め、潅水も減らして生育を抑えます。定植は適期の後半に回し、太い苗は別の区画にまとめて植えます。
- 苗が足りない年
- 十一月中旬までなら市販の苗で補えます。売り場に並ぶ苗は地域の適期に合わせてあるので、系統を確かめてから買い足します。
- 畑が空かない年
- 前作の収穫が遅れているなら、空いた場所から順に植えます。全部そろうのを待つと、最後の列が適期を大きく外します。
玉ねぎの種まきでよくある質問
玉ねぎの種はいつまく?
タマネギの播種適期は、他の秋まき野菜と比べて驚くほど狭く、前後一週間ずれただ…。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
玉ねぎの種はどうやってまく?
すじまき / 育苗が目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
玉ねぎの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
玉ねぎの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
玉ねぎは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
玉ねぎの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
玉ねぎの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
玉ねぎの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は玉ねぎの育て方にまとめています。
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