完熟の見分け方
店で売られるモモは硬いうちに採られますが、家庭では木の上で完熟させられます。目安は、実の付け根の緑が抜けてクリーム色になること、甘い香りが漂うこと、実の肩を手のひらで包んで軽く押すとわずかにへこむことの三つです。表面の赤みは日当たりで決まるので、色だけで判断しません。
| 見た目 | 状態 | 判断 |
|---|---|---|
| 付け根が緑で実が硬い | 未熟 | 採らない |
| 付け根が黄ばみ香りが出始める | 追熟向き | 採って室温で二〜三日置く |
| 付け根がクリーム色で肩が少し柔らかい | 完熟 | 採ってすぐ食べる |
| 全体が柔らかく香りが強い | 熟しすぎ | その日のうちに食べる |
袋を掛けている実は、袋の底を開けて付け根の色を確かめます。同じ木でも上と外側が先に熟し、内側は一週間ほど遅れます。
傷を付けない採り方
完熟したモモは指の跡が付くほど柔らかく、少しの傷が翌日には茶色に変わります。爪を立てず、手のひら全体で包み、実を軽く上に持ち上げるようにひねると付け根から外れます。引っ張ると枝ごと折れたり、皮が付け根に残って傷になります。
- 朝の涼しいうちに採る
- 気温が上がる前の朝に採ると実が締まって傷みにくいです。雨上がりは表面が濡れて傷みやすいので、乾いてから採ります。
- 包んで持ち上げる
- 手のひらで実を包み、枝を反対の手で支えて、実を上に持ち上げるように軽くひねります。外れなければまだ早い目安です。
- 重ねずに運ぶ
- かごに柔らかい布を敷き、実を一段に並べます。重ねると下の実に跡が付きます。運ぶときは揺らさないようにします。
品種ごとの採り時
早生の日川白鳳は六月下旬、白鳳は七月中旬、あかつきは七月下旬、川中島白桃は八月中旬が関東平野部の目安です。開花からの日数で予測でき、早生で約九十日、中生で約百十日、晩生で約百三十日です。開花日を記録しておくと収穫の準備がしやすくなります。
- 開花日を記録する
- 満開の日を記録し、品種ごとの日数を足して収穫の予定日を出します。予定日の一週間前から付け根の色と香りを毎日確かめると、採り遅れも早採りも減ります。
- 内側の実は後に回す
- 木の上部と外側の実が先に熟し、内側は一週間ほど遅れます。一度に全部採らず、熟したものから二〜三回に分けて採ると木の負担も少なくなります。
| 品種 | 開花からの日数 | 収穫の目安 |
|---|---|---|
| 日川白鳳 | 約90日 | 6月下旬〜7月上旬 |
| 白鳳 | 約100日 | 7月中旬 |
| あかつき | 約110日 | 7月下旬〜8月上旬 |
| 川中島白桃 | 約130日 | 8月中旬〜下旬 |
追熟と保存
少し早く採った実は、室温で二〜三日置くと柔らかく香りが出ます。冷蔵庫に入れると追熟が止まり甘みも感じにくくなるので、食べる二〜三時間前に冷やす程度にします。完熟した実は日持ちせず、二〜三日が限度です。食べ切れないときはコンポートや冷凍にします。
- 追熟する
- 新聞紙に一個ずつ包み、直射日光の当たらない室温に置きます。毎日香りと肩の柔らかさを確かめ、柔らかくなったものから食べます。
- 冷やして食べる
- 食べる二〜三時間前に冷蔵庫へ入れます。長く冷やすと甘みを感じにくくなり、果肉がぼそつきます。
- 保存する
- 皮をむいてくし切りにし、砂糖水で煮てコンポートにすると冷蔵で一週間、冷凍で一か月ほど持ちます。
採り終えたらやること
収穫後の木は来年の花芽を作る時期に入ります。袋の残り、落ちた実、木に残った腐った実を片付け、混み合った枝を軽く間引きます。九月にはお礼肥として緩効性肥料をひと握り施します。八月の猛暑で葉がしおれるようなら、地植えでも水を回します。
- 残り物を片付ける
- 木に残った実、落ちた実、外した袋を全部集めて処分します。残った実は灰星病とシンクイムシの越冬場所になります。
- 軽く間引く
- 収穫で折れた枝や混み合った部分を八月中に軽く切ります。九月以降は切らずに落葉後まで待ちます。
- お礼肥
- 九月上旬に枝先の真下に緩効性肥料をひと握りまき、土と軽く混ぜます。来年の花芽が固まる時期なので遅れないようにし、鉢植えは半握りに減らします。
味が薄い・実が割れるときの原因
甘みが薄いのは、収穫前の雨と早採り、摘果不足が多い原因です。実が割れるのは、乾燥の後に急に水が入ったときで、収穫前の水やりを一定に保つことで減ります。日焼けで皮が茶色くなるのは袋なしで上向きの実に多く、翌年の摘果で下向きの実を残します。
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 甘みが薄い | 収穫前の長雨、早採り | 雨の後は三日待って採る、付け根の色で判断する |
| 実が割れる | 乾燥後の急な水 | 収穫前二週間は水を一定にし、乾き切らせない |
| 皮が茶色く日焼け | 上向きの実に直射日光 | 袋掛けと、摘果で下向きの実を残す |
| 果肉が硬くぼそつく | 冷蔵庫に長く入れた | 室温で追熟し食べる直前に冷やす |
モモの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
モモの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はモモの育て方にまとめています。
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